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ビスケット型とチョコレート型が!知っているようで知らないプラスチックの話

ビスケット型とチョコレート型が!知っているようで知らないプラスチックの話

10

2019

Dec

私たちの生活の中に溶け込んでいるプラスチックという素材。あまりに身近すぎて考えたことはないかもしれませんが、実は「ビスケット型」と「チョコレート型」の2種類があることをご存じでしょうか?

今回は、知っているようで知らないプラスチックの話を、株式会社光の河野さんのお話を元にご紹介します!

ガラスや金属との違いは?プラスチックの特徴

まずはプラスチックの特徴を説明します。

ガラスに比べて金属に比べてその他の特徴
・傷がつきやすいが、割れにくい・錆びない・熱による伸び縮みが大きく、燃えやすい
・コストは高いが、ガラスのように透明のものを作ることができる樹脂もある。・曲げやねじりの力には弱いが、裁断や穴あけなどの加工はしやすい・DIYなどで使う他の素材(木材・金属・ガラス)と比べて軽い
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ただし、これらは一般的な特徴です。プラスチックにはさまざまな種類があり、耐熱性や耐衝撃性に優れているものもあります。

ビスケット型とチョコレート型?熱に対する性質の違い

プラスチックは熱に弱いとお話ししましたが、それを生かした製品作りがされています。まずは、その2種類の違いを説明します。

熱硬化性樹脂

作りたいものの形を作ってから熱を加えると、化学変化が進んで硬くなります。一度硬くなると、再び加熱しても柔らかくならないという特徴があり、「ビスケット型」と呼ばれています。

主に工業用として使われるプラスチックです。

ビスケット型

熱可塑性樹脂

常温では硬いのですが熱を加えると柔らかくなります。冷やすとそのままの形で硬くなりますが、さらに加熱すると別の形にできるという特徴があり、「チョコレート型」と呼ばれています。

一般的に使われているプラスチックはこちらのタイプで、汎用性があります。

チョコレート型

熱硬化性樹脂(ビスケット型)の代表選手

フェノール樹脂(PF)

衝撃には弱いのですが、耐熱性に優れていて燃えにくいという特徴があります。そのため電気機器部品や自動車部品、鍋ぶたの取っ手などに使われています。

フェノール樹脂の例、鍋の蓋

エポキシ樹脂(EP)

耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性に優れています。主に接着剤や塗料として使われます。

エポキシ樹脂の例、接着剤

メラミン樹脂(MF)

表面硬度が高く、耐衝撃性に優れているため、子ども用の食器として良く使われています。給食用の食器として取り入れているところも多いですね。

メラミン樹脂の例、子ども用食器

熱可塑性樹脂(チョコレート型)の代表選手

アクリル樹脂(PMMA)

耐候性が極めて良いので、看板やディスプレイ材として使われています。また、プラスチックの中で一番透明性に優れているため、水槽に使われることが多いです。丈夫であることから、ガラスが割れた際の応急処置として使われることもあるようです。

アクリル樹脂の例、水槽

ポリ塩化ビニル(PVC)

耐水性、耐酸性、耐アルカリ性に優れており、硬質の物はパイプや継手として使われています。可塑剤を使用することで軟質の物も作れるため、ホースや防水シートとして使われることもあります。

ポリ塩化ビニルの例、ホース

ポリカーボネート(PC)

強靭で、特に耐衝撃性に優れているため、屋外で使われるものに適しています。一般的にはカーポートの屋根などに使われることが多いようです。樹脂の中では一番硬いので、警察の機動隊や自衛隊などが使うシールドにも使われます。銃弾や刃物にも対応できるほどの強度があります。

ポリカーボネートの例、シールド

ポリスチレン(PS)

安価で加工性が高いという特徴があります。水分に対しての反りが少なく高湿度の環境に強いため、浴室の扉に多く使われています。ポリスチレンを発泡成形することで、発泡スチロールになります。

ポリスチレンの例、浴槽の扉

ポリプロピレン(PP)

加工しやすい素材であるため、身の回りで使われることの多いプラスチックの一つ。自動車用部品から家電部品、医療機器、日用品をはじめ、さまざまな場所で活用されています。

ポリプロピレンの例、自動車の部品

熱可塑性樹脂ならでは!アクリル板には2種類の作られ方が

お店に並んでいるアクリル板に「押出版」「キャスト版」と書かれていることがあります。これは作り方が違います。プロの目でもわからないほど、一見すると見た目の違いはほとんどないそう。でも、実際加工しようとすると違いがわかるそうです。

2つの作り方の違いと、特徴を紹介しますね。

押出板

【作り方】アクリル原料を流し込み、ところてんのように押し出す製法。

押出板作り方イメージ

【特徴】厚みが均一で、長いシート状のものも作ることができ、一度に大量生産することも可能です。曲げ加工性に優れています。

キャスト板

【作り方】2枚のガラス板の間にアクリル原料を流し込み、かためる製法。

キャスト板作り方イメージ

【特徴】押出板に比べ工程が多いが、生産量が少なくても製造できます。切断・穴あけ・彫刻など、機械加工に優れています。

プラスチックの特徴を知っていれば、こんなこともできる!

今回は、身近にあるけれど実は知らなかった…という情報をお伝えできたでしょうか? 熱可塑性樹脂のアクリル板を使えば、ご家庭でこんなDIYを楽しむこともできます。

  1. アクリル板を温めたホットプレートに乗せて、2〜3分待ちます
  2. 硬いアクリル板が厚めのビニールシートのように柔らかく変化するので加工する
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ただしかなり高温になり、軍手をしていても熱く感じるほどです。やけどしないよう十分ご注意ください。

アクリル板加工

プラスチックの特徴を知って、ぜひこれからのDIYに役立ててくださいね!

※この記事の内容は、2017年9月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。

2019.12.10
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