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DIYに欠かせない「塗料」正しく選べていますか?

DIYに欠かせない塗料、正しく選べていますか?

21

2020

Feb

DIYに「塗料」は欠かせない存在ですよね。塗料には主に、素材を長持ちさせる「保護」の役割や、外観を美しく仕上げる「美粧」の役割があります。それに加えて、蛍光、遮熱、防カビなど「特別な機能」をプラスした塗料もあります。

このように塗料の種類は多く、用途に合った塗料を選ぶのは、なかなか難しいもの。「あまりにおいがしないから、基本的に水性塗料を選んでいるよ」という方も多いのではないでしょうか。

でも塗料は、使用場所や用途で選ぶのが正しい方法です。今回は、株式会社アサヒペンさんにお話をうかがいました。

塗料は何からできていて、どう作られる?

塗料の素材は以下の4つです。

  • 顔料…塗料に色を持たせるために必要
  • 樹脂…物に付着して塗膜をつけるためのもの
  • 添加剤…塗料の性能を補助する役割がある
  • 溶剤・水…塗料の粘度を下げて、塗りやすくするために必要

これらを混ぜて作られるのですが、製造工程はこんな感じ。イメージ図にして紹介しますね。

前練
塗料の製造工程「前練」

塗料の材料となる「顔料」「樹脂」「添加剤」「溶剤・水」を高速撹拌機でペースト状にします。

分散
塗料の製造工程「分散」

仕上がりが美しくなるよう、分散機(ミル)で残った粒をさらに細かくします。

仕上げ
塗料の製造工程「仕上げ」

必要に応じて「樹脂」「添加剤」「溶剤・水」を追加し、撹拌機で仕上げます。

調色
塗料の製造工程「調色」

①〜③の工程で仕上がった塗料をブレンドし、色を作り製品化します。

一般的に使われる「油性塗料」と「水性塗料」の違い

みなさんご存じのとおり、塗料は大きく油性と水性の2種類に分けられます。油性塗料も水性塗料も基本先ほどお伝えしたとおり、製造工程などは同じです。1つだけ違うのは、塗料の粘度を下げて塗りやすくするために必要な素材が、油性は「溶剤」、水性は「水」を使っているという点です。溶剤を使っていないから、水性塗料は比較的においが弱いんですね。

その他の違いも簡単にご紹介します。

におい速乾性その他
油性塗料強いなし溶剤の性質により、「サビに強い」など様々な特徴が付加される
水性塗料弱いありアクリル樹脂を使っていることが多く、熱を加えると柔らかくなる

使いやすいラッカーは「油性?水性?」

ここで一つ、問題です。スプレータイプのラッカーは、においは強いけれど速乾性があります。さて、油性でしょうか? 水性でしょうか?

……… 答えはMr.DIYからどうぞ!

ミスターDIY
Mr.DIY

ラッカーは溶剤を使っているので「油性」です。

スプレータイプはムラになりにくく、比較的初心者の方にも塗りやすいのが特徴。ただ、周囲への飛散が多いので注意が必要です。

スプレータイプを使うときは、塗装面以外を広範囲で養生しましょう。

うすめ液も油性と水性で異なる

塗料を扱う場合に必要となる「うすめ液」。塗料をのばすのに使われたり、はけやローラーなど用具の洗浄に使われたりします。それぞれに適した「うすめ液」を使うことは必須であり、別の物は使用しないでください。

ちなみに、水性塗料のうすめ液は「水」、油性塗料のうすめ液は「ペイントうすめ液」、ラッカーのうすめ液は「ラッカーうすめ液」です。

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余談ですが、うすめ液は英語で「シンナー」といいます。水性塗料のうすめ液は「水」ですが、英語では「シンナー」と呼ばれています。何だか勘違いしそうですよね(笑)。

正しい塗料の選び方、ポイントは「使用場所」と「用途」

塗料の基本が分かったところで、最後に選び方のポイントを教えてもらいました。メーカーさんのおすすめとしては「使用場所と用途から選びましょう!」とのことです。

たとえば、使用場所は屋内で洗面所の壁に塗りたいとします。その場合、防カビ機能を持つものが最適ですね。だいたい製品には「使用場所」や「用途」が書かれていますから、そこを参考にするのが一番です。

塗料には「使用場所」または「用途」が書いてあります

においが強いし乾くのが遅いから、油性は絶対に選ばない…というのではなく、それぞれの特徴を生かした使い方ができるよう選んでいただくと、後悔なく選ぶことができそうですよ。

見た目を優先したい方は、ニスやステインを選ぶのもあり!

そうはいっても、ガラリと雰囲気を変えるために「下地を隠して色を塗りたい」「木目を活かして、色だけ変えたい」という場合、「つやを出したい」「つやを出したくない」など、見た目を優先して塗料を選びたいときもありますよね。

そんな場合は「一般塗料」と「ニス」「ステイン」の違いを知って、使い分けると良いでしょう。

一般塗料ニスステイン
特徴下地を隠すことができる、不透明着色塗料。下地を隠さず木目を活かすことができる。つやありの場合は、塗り重ねることでつやが出る。下地を隠さず木目を活かすことができる。つやありの場合は、塗り重ねることでつやが出る。
坂田
坂田

塗料の基本と選び方について、ご紹介しました。実際に選ばれる際の参考にしてもらえると嬉しいです。

また、塗料を見た目で選ぶというのも難しいと思いますが、実はいいものマガジンウェブ編集部では、こ〜んな面白い実験もしています。最近流行りの「木目を生かしたDIY」を楽しみたい方必見! ぜひご覧ください。

ニスやステインの塗り比べレポート

※この記事の内容は、2017年10月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。

2020.02.21
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