社会のニーズで活躍の場が増加!符号錠(文字合せ錠)の仕組みを大公開
19
2020
Mar
符号錠とは、ダイヤルの符号を合わせることにより解錠できる錠前のことで、以前にいいものマガジンでご紹介した南京錠とは違う特徴を持っています。
南京錠についてはこちらをチェック
南京錠は操作が簡単で使いやすいのですが、鍵をなくすと使えないというデメリットがあります。これを解決するべく生まれたのが符号錠です。
今回も南京錠に引き続き、鍵に詳しい和気産業の佐々木喜孝さんにたっぷりとお話をうかがいました。
INDEX
文字合せ錠のスタンダード「固定式」
今回は符号錠の特集ということですが、実は社内では「文字合せ錠」と呼んでいます。
文字を合わせて解錠するので「文字合せ錠」。まぁ、文字と言いながら数字なのですが…。でも、このほうがわかりやすいですよね。
はい。たしかにそのほうがイメージがしやすいです。それでは、今日は文字合せ錠についてたっぷりと教えてください。
文字合せ錠には「固定式」と「可変式」があります。まずは、あらかじめ数字が決まっている「固定式」のほうから説明します。
「固定式」は指定された数字にダイヤルを合わせて吊部分を上げると解錠する仕組みとなります。
(イラストをクリックすると別タブで画像が開きます)
構造は比較的簡単で、ダイヤル部分の輪っかと吊り部分で主に構成されています。
こんな仕組みになっているんですね!
自分の好きな番号を設定できる「可変式」
それでは続いて「可変式」の説明に移ります。
「可変式」はお客様からの「番号を忘れてしまう」「自分の好きな番号にしたい」といった声がきっかけで誕生した商品のようです。
購入いただいてから、自分が好きな数字に何度でも設定を変更できます。
自分の好きな番号に設定できれば覚えやすくていいですね。
番号の設定方法もとても簡単です。
たとえばアルミの鍵の場合は、以下のとおりです。
これで番号の設定が完了です。この操作を繰り返すことで、何度でも番号を変えることができます。
動画もありますので、参考にしてください。
すごい! なんでそれで番号が変わるんですか? どんな仕組みなんでしょう?
固定式は輪っか部分と吊部分からできていますが、可変式にはプラスアルファの部品が追加されています。数字を回して吊部分を引き上げたときに、この部品が揃い、吊が動くようになるんです。
(イラストをクリックすると別タブで画像が開きます)
これが「番号を何度でも自分で設定できる」仕組みです。
は〜、そんなことを考えつく人がいるんですね。すごい…。
時代のニーズで活躍の場が広がる『スペアキーボックス』
可変式の進化系として誕生し販売数を伸ばしているのが『スペアキーボックス』です。
可変式文字合せ錠の本体部分が開き 、中に別の鍵(スペアキー)を入れておくことができます。
不動産業者の方が、集合住宅やマンションの空き部屋管理などのために使われています。
外からは見えない場所に家の鍵を入れたスペアキーボックスを設置しておき、訪問者は指定の数字を回してこの中にある鍵を取り出して家の中に入るという使われ方です。
複数の方が出入りする場合に便利なんですね。
そうなんです。最近では複数のヘルパーさんや相談員が訪れる一人暮らしの高齢者のお宅で使用されているケースが増えています。
そういえば、私も以前にシェアルームをレンタルした時に『スペアキーボックス』を使ったのを思い出しました!
そうでしたか。これまでは特定の方が使うことがほとんどでしたが、シェアハウスや民泊の増加で一般の方が使用されることも多くなってきているようです。
『スペアキーボックス』は時代のニーズでこれからますます活躍の場が増えていくと思います。
実は身近なところで使われている文字合せ錠
符号錠(文字合せ錠)には、自転車のチェーンロック、学校のロッカー、マンションのポストなど、たくさんの場所で使われています。実は身近なところであなたも使っているかもしれませんね。
鍵の受け渡しが不要、鍵を失くす心配がない、複数で共有できる、というメリットがある文字合せ錠。ぜひその特性を理解して、さまざまなシーンで使いこなしてみてください。
※この記事の内容は、2020年1月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。