そうですね。シーリング材にはたくさんの種類があって、それも含まれます。

シーリング材とひとくくりにしてしまうと、あまりにも広範囲になるので、今回は1液の建築用シーリング材にスポットを当てたいと思います。

さらに、形状があらかじめ定まっていない「1液の不定形シーリング材」についてお話ししますね。

ビルや住宅の目地の詰め物として使われる、充填剤です。だからシーリング材に必要な条件は次の3つです。

ムーブメントというのは、目地の動きのことです。季節による温度とか水分とか風とか、さまざまな外的要素によって目地に動きが生じるんです。時間が経つと木材が変形するのと同じようなイメージです。

シーリング材は、水密性や気密性を保つ必要がありますから、この目地の動きにしっかりついていく（追従する）ということが、大事なわけです。

では、改めて建築用の不定形シーリング材に話を戻しますね。実は分類していくと、すごいんですよ。

そうですよね。これを細かく知っていただかなくてもいいと思うんですが、主要なシーリング材として、今日は4つをご紹介します。

それぞれメリット・デメリットがあるので、適材適所、使い分けていただくことが重要です。

シリコーンの欠点として「撥水汚染」といわれるものがありまして。外壁には向かないんですよ。

シリコーンは時間が経つとシリコーンオイルが遊離するんです。これが大気中の汚れを吸着することで、目地周りが幅広く汚れてしまうんですよ。

だから、外での使用には、変成シリコーン系やウレタン系が向いているというわけなんです。

それがですね…。ブリード現象というのもありまして。塗装をした際にシーリング材の成分のひとつである可塑剤が塗装の膜に移行して、塗料がべたべたしてほこりや大気中の汚れを吸着し、汚れてしまうことがあるんです。

ただ、最近は改良されてブリード現象も起こりにくい製品もでています。

あ、またマニアックな言葉に注目されましたね（笑）。

モジュラスっていうのは、弾性のあるものに歪み（ひずみ）などの力が加わったときに、戻ろうとする力のことをいうんです。漢字で書くと「応力（おうりょく）」ですね。

戻ろうとする力が強いものを「高モジュラス」、弱いものを「低モジュラス」といいます。

はい！　そういうことです。

例えば木造住宅など、目地のムーブメントが大きいものには「低モジュラス」が向いています。鉄筋コンクリートなど、目地のムーブメントが少ないものには「高モジュラス」が向いているというわけです。目地切れを起こさず、防水性をキープすることが目的です。