賢い消費者になろう!殺菌灯は危険?ブラックライトの正しい選び方
22
2020
Dec
ブラックライトや殺菌灯が、「掃除に役立つもの」として注目されていることをご存じでしょうか?
掃除の現場で活躍するブラックライトについて知りたい方はこちらをチェック
特にこのご時世、消毒や殺菌などができる製品について興味をおもちの方も多いでしょう。実は現在、「ブラックライト」も「殺菌灯」も広く流通していて一般の方でも手軽に手に入れられる時代です。
しかし、ブラックライトや殺菌灯は、正しく選んで正しく使わないと、期待通りの効果が得られなかったり、場合によっては危険を伴ったりすることもあるのだとか。そこで今回はブラックライトのパイオニアである株式会社コンテックの課長、山田隆一さんにお話をうかがいました。
INDEX
ブラックライトは紫外線!UVA、UVB、UVCとは?
「ブラックライトが掃除に使えるってホント?」の記事でもお話ししましたが、ブラックライトや殺菌灯は紫外線を含んだ光線です。紫外線といってもその波長域は広いんです。
UVC | UVB | UVA |
---|---|---|
日光からの光ではオゾン層にカットされ、日常的にはほとんど浴びない。近紫外線の中でも特に生体に対して影響が強い。 | いわゆる日焼けなどは、この領域の波長が原因で起こる。長時間、露光照射されるとUVA以上に悪影響を与える。 | 地上に降り注ぐ紫外線のほとんどはこの波長。長時間の間、皮膚に照射すると悪影響を及ぼす。直視するのは危険。 |
はい、覚えています。この図にあるとおり「UVA」「UVB」「UVC」に分かれているんですよね。UVAは太陽から届く日常の紫外線と同じ波長なので、この範囲で照射される一般的なブラックライトは、危険性はないとのことでしたよね。
その通りです。一般的に流通しているブラックライトは、UVA近辺の波長(365~405nm)を採用しているので、特に危険性はありません。
しかし、この波長とは違う「殺菌灯」は、危険性が高いのです。
殺菌灯の波長はUVCレベルで危険を伴う!
殺菌灯で検索すると、確かに多くの製品がヒットしますね。これが危険とはどういうことなのでしょうか?
「殺菌灯」が照射する波長は、紫外線の中でもUVCなんです。
通常、地球に届くのはUVAとUVB。その中でもUVBはUVAに比べ人体へ及ぼす影響が大きいとして問題視されています。それよりも危険なのがUVCですが、地上へ届かないため取り上げられることが少ないのです。
UVCの危険性についてご存じない方も多いのに、「殺菌灯」としてUVCライトは市場に出回っています。注意書きに「直接肉眼で見ないでください」とか「人の目や皮膚に直接当てないでください」などと書かれているものもありますが、製品が手軽に手に入るだけに、もっと注意喚起の必要性を感じています。
確かにそうですよね! お子さんやペットのいるご家庭なんかは特に知っておかないと怖いと思います。JIS規格などはないんでしょうか?
LEDブラックライトやLED殺菌灯は比較的新しい技術でして、光源がLEDになったことにより機器の小型化が実現されています。
JIS規格もLED製品に改正されていない部分があったり、基準や規制もまだ進んでいない部分もあります。そのため、海外製品なども多く出回っているのが現状です。
新しい技術で研究段階の分野だからこそ、注意が必要だということは広く伝えなくてはいけないと思っています。
「紫外線(UVC)光の試験および認証を行う機関」ができたり、人体に安全な殺菌灯の開発の研究なども進んだりしているようですが、まずは危険性があることを多くの方にご理解いただきたいと思っています。
UVCはこれから研究が進む分野だからこそ、その実態を知っておこう
殺菌灯は誰でも手に入れられること、殺菌灯のUVCが危険性の高い光であることなど、今回初めて知りました。
これから研究が進み、必要に応じて安全に扱えるようになることを願うとともに、UVCの危険性などを正しく理解する人が1人でも増えればと思いました。今回のこの記事が、そのきっかけになれば幸いです。
※この記事の内容は、2020年10月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。