便利なマスカーを広めたい!改良を加えて新発売『マスキングマスカー』【開発秘話】
02
2021
Mar
みなさんは、マスカーをご存じでしょうか?
テープとフィルムシートが一体化している製品で、主に塗装時の養生などに使われます。新聞紙を敷いて、テープで留めて…という手間がかからず、価格も手頃なので、知っている人の間ではとても重宝されています。
ホームセンターの売り場に置いてはあるものの、どのような使い方をするのか商品の見た目からはわかりづらく、知らない人はまったく知らない…ということも多いのが現状のようです。
そこで和気産業の企画部で働く小山さんが「もっと、マスカーの良さを知って、多くの人に使ってほしい!」という想いで立ち上がりました。
今回は、マスカーの特徴を説明するとともに、マスカーの問題点を解決した新たな製品の誕生までをご紹介します。
INDEX
マスカーってこんなに便利!秘密はフィルムシートに?
マスカーは先ほどお話ししたとおり、塗装時の養生に使うだけでなく、汚したくない場所を保護するのにも、便利です。
汚れ防止に、新聞紙やビニール袋を使っている方も多いと思います。でも、使っているうちに動いてしまって汚れたり、それを防止するためにテープを上から貼ったり手間がかかる。その問題を解決してくれるのがマスカーです。
マスカーって、フィルムシートとテープが一体化しているので、とても便利ですよね。私はいいものマガジン編集部員になって、初めて知りました。もちろん、すぐ購入して、今でも愛用しています!
その存在を知った人は、すぐに購入してくださることも多いですね。
でもマスカーの良さって、実はフィルムシート部分にもあるんですよ。
普通のビニールじゃないんですか?
フィルムシートには「コロナ放電処理」がされています。コロナといっても、ウイルスのコロナとは関係ありません。
「コロナ放電」と呼ばれる処理を行うことで、フィルムシートに着いた塗装などが流れ落ちにくく、シートを敷く際にもぴったり密着させるという効果があるんです。
そういえば、壁でも床でも貼りやすかったです。知らなかった~。
しかも、マスカーのほうに塗料が付着することもありますが、塗料が垂れてきて服を汚したり、マスカーについた塗料が手についたり、といったことも防いでくれます。
テープとフィルムシートが一体化しているだけじゃない良さが、マスカーにはあるんです!
マスカーにも問題点はある?
そんな便利なマスカーなのに、知らない人が多いってもったいないですよね。
そうなんです。でも、マスカーにもちょっと問題点はありまして…。
え、問題ですか?
マスカーに使われているテープのほとんどは、緑色の布養生テープです。低価格で粘着力もあってよいのですが、粘着力の強さゆえに屋内で使うと困ったことが起きるんです。
困ったこと? 私も屋内で使っていますが、特に問題なかったような…?
必ずしも問題が起きるわけではありません。でも屋内の壁や建具、家具にそのまま貼ると、はがしたときに下地を傷めてしまったり、塗装がはがれたりすることがあるんですよ。
わ、ほんとだ!
そのため、プロの方はマスキングテープを貼ってから、マスカーを使うという作業をされていることが多いんです。
また、布養生テープではなくマスキングテープを使った製品もあるのですが、マスカーの4倍ほどの価格なんです。コスパを考えると、手間がかかっても、マスキングテープ+マスカーという使い方をされることが多いようです。
それを理由にマスカーを使っていただけないのも残念ですし、マスカー自体が一般的に普及しない原因なのかもと思っていまして…。
そこで新たな『マスキングマスカー』の開発に乗り出したんです!
マスカーの問題点を解消!『マスキングマスカー』とは?
マスキングテープを使った製品はもともとあったということですから、価格を抑えるための工夫をしたんですか?
それもありますが、改めて開発するなら、現行のものよりさらに良い製品を作りたいじゃないですか。そこで、マスキングテープの部分に何を使うか? を一番に考えました。
マスキングテープって、おしゃれな柄が増えていることは知っていますが、テープ自体にも違いがあるんですか?
最近は女性の方の認知度もあがっていますが、それはマスキングテープの新たな一面です。
もともとマスキングテープは、海外で自動車の塗装に使われたのがはじまりのようです。当時は紙の粘着テープで、最初に使われたのはクレープ紙です。日本では和紙が使われていました。
その後、布、ポリエステルなど、さまざまな素材のマスキングテープが生まれて今に至ります。
そうだったんですね。
で、新たなマスキングマスカーに使用するテープですが、「塗装しやすい」ことが大前提になります。そこで考えたのは、マスキングテープの老舗でもある、KAMOI(カモ井加工紙株式会社)さんのテープでした。
工業用製品を多く扱われていますので、いくつか試してみたんです。
マスキングテープは本来、塗装したくない部分に貼って使います。塗装後、マスキングテープをはがしたら、塗りたい部分だけがキレイに塗れているというのが理想です。でも、テープの材質によっては、フレーキングが起こり、塗装したくない部分が汚れてしまう場合があるんです。
フレーキングって何ですか?
テープに付着した塗膜が、粉状にはがれ落ちる現象です。テープと塗料の密着度が低いほど、フレーキングが激しくなります。
そこで実験を重ねて、一番よかったのが「正宗」という製品でした。
「正宗」は、建築塗装用の資材として、プロの方にも愛用されている製品です。実験を重ねてみても、フレーキングが起こりにくく、これだと思いましたね。
あと価格面でも、現行のマスキングテープの半分以下に抑えることができました。
室内でも安心して使える『マスキングマスカー』
こうして生まれた『マスキングマスカー』。一般の方は、自宅内で使われることも多いですし、使う価値はおおいにあると思います!
マスカーを知っている人も知らない人も、試してもらえるとうれしいです。
紫色が目印なので、ホームセンターで見かけたら、ぜひチェックしてみてくださいね!
※この記事の内容は、2021年1月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。