【クイズ】ねじの正しい選び方、あなたはわかりますか?
15
2021
May
ある日倉庫整理をしていた和気産業の2年目社員、好奇心旺盛な「あらいもん」と元美術部の「にピ」。ねじの棚を見ていて、さまざまな疑問がわいてきました…。
ねじって、半ねじとか全ねじとかたくさんの種類があるけれど、どういう違いがあるんだろう?
そういわれれば…。よく見ると、ねじの先端が微妙に違うものもあるし…。
先輩社員に聞いてみたところ、「ねじのことが気になるなら、若井産業さんに教えてもらったら?」とのこと。さっそく建築用資材やDIY用品の開発・製造などを手がける若井産業株式会社の福井さんと柏さんにお話をうかがうことにしました!
INDEX
【クイズにチャレンジ】どの「ねじ」を選べば正解?
ねじについて、教えてほしいとのお話なんですが、種類が多くて何からお話ししたらよいか…(汗)。
そうなんです! あまりにも種類が多くて、でも違いは微妙で…。ネジの大きさをはじめ、頭の形が違ったり先端が微妙に違ったりなんで、どう選べば正解なのかわからないなぁと思ったんですよね。
ねじは、取り付け物(木材や金具など)と下地(木材など)を挟み込んで止めるためのものです。ねじの頭部と先端部で、取り付け物を挟み込むイメージですね。だから「取り付け物」と「下地」が何か、どんな状態かを見て選ぶ必要があります。
ひとつずつ説明するのは難しいですね…。クイズ形式で「適切なねじを選んでいただく」というのはどうですか?
いいですね! 楽しそうです。
では、私から出題しますね。
【問題1】木材と木材、取り付けたい位置が違う場合
まず、木材(下地材)に木材を取り付けたい場合です。5本のねじの中からどれが良いか選んでみてください。
①木材を真ん中で取り付けたいとき
②木材を端で取り付けたいとき
①はよくあるパターンですよね。2×4材は私たちもよく使ってます。長ささえ合えば、どれでも良さそうだけど…。
②もよくあるよね。端っこのほうだと、木割れしたりするから…。選ぶとすると、細めのねじがいいかなぁ…。
【回答1ー①】全ねじと半ねじの意味を知って正しく選ぼう!
まず①ですね。どうして、このA(コーススレッド全ねじ)を選ばれましたか?
下地まで、ねじがしっかり届けば大丈夫かなと思って。あと全ねじだと強力に止められそうな気がしたんですが…。違いましたか?
惜しいですね。このねじでも大丈夫といえば大丈夫ですが、B(コーススレッド半ねじ)をおすすめします。
半ねじのほうですか??
ポイントは2つあります。
1つめは新井さんがおっしゃるとおり「下地までしっかり届いているかどうか」です。
感覚で「このくらい届いたらいいかな?」って選んでみましたが、決まりってあるんですか?
いえ、決まりまではないですよ。取り付ける木材の厚みによっても異なりますが、だいたい下地となる木材に2~4cmほど届いていれば十分です。だから、新井さんの選び方1つめはOKです。
問題は2つめのポイントで、まさに「全ねじ」か「半ねじ」かってところです。
全ねじのほうが、強度があるってことじゃないんですね?
そうなんですよ。ねじの頭と下地材に固定されたねじ部で取り付けることが大事なので、取り付け物には「ねじがない状態」で問題ないんです。
え! 半ねじの「ねじがない部分」って、そういう理由があったんですか?
そうです。全ねじだと取り付けたい木材にねじ部が干渉してしまい、木材同士が浮いてしまう場合があります。結果として、半ねじのほうが挟み込む力が強くなるんです。
だから①のように木材と木材の接合部分には、ねじがないような、Bのねじを選ぶのが正解です。
なるほど、よくわかりました! とても勉強になります!!
【回答1ー②】ねじを端に打つ 注意したいのは木割れ
②の端にねじを打つのに選んでいただたいたのはE(木割れ防止ビス スレンダー)ですね。正解です!
やった! 端のほうに打つときは木割れが起こりがちなので、細いほうがよいと先輩に聞いたことがあるんですけど。
はい、そうですね。ただ形状が細いだけではなく、先端部にもポイントがあるんです。
木割れを防ぐために、あらかじめ細いキリやドリルで下穴を空けてから施工するという方法があります。しかし、この特殊な先端形状のねじを使うことで、下穴を空けながらねじを打ち込むといった作用が得られるため、通常のねじと比べ格段に木割れしにくくなるんです。
弊社の製品の中では、『木割れ防止ビス』と『木割れ防止ビス スレンダー』があります。
特にスレンダー(細いタイプ)は、端部に打つことを想定して作っているので、ぜひご活用いただければと思います。
DIYをやっている人は、ぜひ知っておきたい情報ですね!
【問題2】木材の下地に金具を取り付けたい場合
では2問目です。木材(下地材)に金具を取り付けたい場合です。こちらも5本のねじの中から選んでみてください。
①金具A(座掘りあり)を取り付けたいとき
②金具B(座掘りなし)を取り付けたいとき
①も②も、一見すると同じような金具なんだけど…。何か違いがあるんだよね。
う、確かに…。あ、よく見ると穴の形状が違うよ
わ、ほんとだ。座堀りしてあるのと、してないタイプだね。ここにピタッと当てはまるといいんだよね…。
【回答2】どんな金具か?見極めて選ぼう
問題2については、お2人ともかなり悩まれていたようですね。
そうなんですよ。一見すると金具の違いがわからなかったので。
よく見てみると、ねじを打つ穴の形状が違ったので…。DとCを選んだのですが、どうでしょうか?
よく気づかれましたね! 正解ですよ!
よかった~。
お2人が気づかれたように、座掘りがあるかないかで、ねじの選び方が変わります。ここで注目してもらいたいのは、ねじの頭部分ですね。
座掘りしてあると、こちらの頭(皿)が収まりがいいですもんね。
座掘りがないのは、こちらの頭(トラス)がぴったりですよね。
その通りです。ねじの頭の形状もさまざまです。用途に合わせて選ぶことも大事ですが、仕上がりに応じて選ぶというのも必要かと思います。ねじを目立たないようにするには小さな頭の方がいいですし、逆に見せる事を意識して大きくて綺麗な形状を選択していただくのもよいと思います。
一般的によく見かけるシルバーやゴールドのような色目のねじ以外にも、最近では、黒色のねじなどもあります。ねじの選定もDIYの一つとして楽しんでもらえたらうれしいですね。
今回は、ねじについていろいろと教えていただき、ありがとうございました!
私は、ねじの先端の違いにも興味をもちました。これからも疑問点がでてきたら、ぜひ教えてくださいね!
※この記事の内容は、2021年3月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。