災害時に備えた食品ストックしていますか?ーいいものマガジン編集部が考える防災「非常食編」
30
2021
Jun
防災対策が大事であるというのは、みなさんご承知のとおりです。でも実際に対策できている人は、どれくらいいるのでしょうか。
私鈴木は、防災グッズを扱っている和気産業として、もっと深く防災について考えてみたいと思い、いいものマガジン編集部でヒアリングを試みることにしました。ただ防災といっても幅広いので、今回は「非常食」に焦点を絞っています。
話を聞いてみると、いいものマガジン編集部員9名の対策法や抱えている問題など、さまざまなことが浮かびあがってきました! 「非常食」を考えるきっかけのひとつとして、ぜひご覧いただければと思います。
INDEX
非常食の準備はしている?
防災の意識って人それぞれですよね。そして世の中の防災意識は、時代とともに変化すると思うんですよ。
たとえば阪神大震災以降は家具の転倒防止や窓ガラスの飛散防止の対策を意識する方が多かったように思います。ところが、東日本大震災以降は、津波や原発による避難が必要になったことで、備蓄を重視する流れに。非常食が幅広く流通するようになりました。
みなさんは非常食を備蓄していますか?
我が家の非常食はこんな感じです。クラッカーやカロリーメイト、お茶は賞味期限が短いので、自分で買ってきて定期的に買い替えて入れています。
あと、わが家はウォーターサーバーがあっていつもお水があるので、大きなペットボトルはそこまでいらないかな…?とも思っています。
実は非常食を買ったのは、2018年の大阪北部地震がきっかけです。地震後に慌ててネットで注文したら、1カ月待ちでした。地震の前なら翌日発送とかもできたのに。
震災を身近に感じないと行動に移せないんだなぁって、私も含めてですけど思いました。
まさに、おっしゃるとおりです。私は2018年、当時いいものマガジンを冊子で発行していた頃に「携帯トイレ」の取材をし、それをきっかけに初めて非常袋を用意しました。非常食にいたっては、避難訓練でもらった乾パンを入れているくらいで、まだ全然です(汗)。
私も坂田さんと一緒で、防災グッズはあるけど食品はストックしてないです。
うちも似た感じです。避難時に役立つもの、ブランケットや吸水バックなどをまとめて、使わなくなったキャリーケースに入れています。でも食品の備蓄はしていません。
私は防災用品を置いていない派です。準備する必要があるなぁとは思っているんですけど、何をどれだけ用意したらいいかわからず…。
非常食も、もちろん用意できてません。ローリングストックとかも考えたんですけど、ちゃんと小まめにチェックして入れ替えできるかなぁって(汗)。絶対期限切れとかにしちゃいそうで、正直ダメダメです。
編集部の中でも、非常食を特に用意されていないという方が3割いるということですね。確かにいつ必要になるかわからないし、そのための費用や労力を考えると、準備できてる人って少ないかもしれませんね。
私も3年前に準備はしたものの、置いたままです。5年保存可能だったとは思うんですけど、そろそろ確認してみないといけないですね。
私も食品を含め防災グッズの用意はしているものの、手入れしなくっちゃと思いました。
たとえ準備していても見直しまで手が回っていない…という方も多そうですね。
非常食を食べてみてわかった!新たな問題
私は非常食を用意してるし、定期的な見直しもしてるんですよ。でも入れ替え時期に非常食を食べてみてわかったんですけど、残念ながらあまり口にあわなくて…。非常時なんだから味より栄養補給なんでしょうけど、ただでさえつらいときに、より悲しい気分になってしまいそう…と思いました。
あ~確かに、そういう問題もでてきますね!
非常食って味ではなく、コストや日持ちで選ぶことが多いですしね。
そこで、ローリングストックも始めたんですよ。常温で半年程度もつような、本当に美味しいお惣菜を見つけて。ふだんから5品ほど置いていて、通常の食卓であと一品ってときにも使っています。
非常食を食べるときに、一品だけでも「ふだんの美味しい味」「ほっこりできる味」があれば、つらい時期も何とか乗り越えられそうかなと思って。
そういうの大事だよね。私はカルディの缶詰をおすすめします。日持ちはするし美味しいし!
ローリングストックって、味を知っておくという意味でもいいのかもしれないね。
非常食・保存食・備蓄食品ってどう違うの?
今、お2人の話を聞いていて思い出しました。「非常食と保存食」や「備蓄食品」って違うものだってことを知ったとき、ビックリしたんですよ。
今回「非常食」として同じくくりで話していましたが、厳密には違いますよね。
まず非常食というのは、災害が起きてすぐ食料の供給がないとき、ライフラインが止まった状態のときでも食べられるものを指すんですよね。
温めずに食べられるレトルト食品や菓子類、缶パンなどです。
保存食は防災に限らず、使われる言葉だよね。
ふだんご家庭で常備されている食品なんかも「保存食」の一種ですし。それが災害時にも役立つということですよね。
備蓄食品は災害食と呼ばれることもあるよね。非常食よりもさらに広い意味での食品。
農林水産省の定義では、備蓄食品の中に「非常食」と「日常食品」が含まれるということです。
日常食品はふだんから食べている食品ですが、こういったものも備蓄食品として考えましょうということですよね。
津村さんのおっしゃっていたお惣菜なんかも、この日常食品にあたりますよね。これをローリングストックとして考えれば、管理も少しラクになりそうじゃないですか?
確かに、そうかも!
あと備蓄食品全体の考え方として、栄養バランスも考えたほうがよいとアドバイスされています。
ライフラインが復旧して日常生活が戻るまでにどのくらいかかるかわからないし、健康面の維持も大事だもんね。
非常食を含めた「備蓄食品」について、ぜひ考えてみて!
「非常食の準備」というとハードルが高いと感じるかもしれません。でも、みなさんのお話を聞いていて、本当に大切なのは各家庭で無理のない範囲で準備することだと感じました。
いざというときの助けになってくれる、非常食を含む「備蓄食品」。健康面はもちろん、食って心の支えにもなってくれるものだから味だって大事だなぁと思います。それって、各家庭で「どこに重きを置くか」で変わってくることなのかもしれません。
日常食品をうまく取り入れたり、ローリングストックという考えで用意したり、ぜひこの記事をきっかけに、ご家庭での準備をご検討いただければ幸いです。
以下の資料も参考にしてください
※この記事の内容は、2021年4月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。