編集長鈴木の備蓄食品お見せします!楽しみながらできるローリングストックのすすめ
30
2021
Jun
編集長の鈴木です。現在いいものマガジン編集部では「防災」について、さまざまな視点から考えているところです。先日は、防災備蓄収納のプロである長柴美恵さんに、防災の考え方や非常用持ち出し袋について教えていただきました。
定義がわかっていなかった?非常用持ち出し袋の正しい準備の仕方
そこでわかったのは、一人ひとり住む場所や家族構成、必要なモノやコトは違うということ。さっそく我が家の場合を考えてみることにしました。
INDEX
「大人二人家族」編集長鈴木の場合
もし災害がきたら、どこに避難するか?
我が家は夫と私の二人家族。基本的には自宅避難を考えています。避難所になる施設が2カ所、家からほど近いところにあるのですが、ハザードマップを参考にして、自宅のほうが安全だと判断したからです。
この考えに至ったのには、これまでの経験も大きく関係しています。実は、1997年の阪神大震災の直後に奈良県にある今の家(一戸建て)に移りすみました。多くの住宅が倒壊するのを目の当たりにしたため、住まいへの第一条件は「地震に強い」ことでした。
2018年(平成30年)の大阪北部地震の時も、幸いにも家屋に被害はありませんでした。ただ、高いところに置いていたものが落ちて破損したりしたので、室内の防災対策は細かいところまで目を配る必要を感じました。
風水害については、山を切り開いた住宅地なので、土砂崩れなどの心配があります。先月の大雨の時も、緊急お知らせのブザーが鳴りっぱなしでした。自宅のあるところは造成されいるため、まったく心配はありません。しかし、スーパーに行くためには土砂崩れの危険性のある道を通るため、台風の時はもちろん、その後の被害も考えると、なおさら自宅避難が適していると思っています。
避難の想定は必要ですが、鈴木さんのようにハザードマップやご自宅の立地、強度などから「自宅避難」という選択も一つの考え方です。ただし最も大事なのは「命を守ること」。あなたにとって、「自宅避難」がベストか「自宅外避難」がベストかは、よく検討してください!
自宅避難の場合の備蓄
自宅避難ということで備蓄で一番に思い浮かべたのは食事です。特に非常食ということではなく、いきなり電気、ガス、水道が止まっても食べられる備蓄食というイメージです。
基本の数量については、農林水産省がガイドラインを出しています。
たとえば大人二人で1週間分だと、水はペットボトル2リットルを24本。だいたい大人一人で一日3リットルだそうです。
ガスはカセットコンロを用意しています。一人1週間6本なので、12本のストックです。
こういった数値は、各家庭での調理方法でも変わってくるとは思いますが、参考にしたいですね。
保存のきく備蓄食をローリングストック
水と燃料(ガス)を確保した後は、いつでも食べたくなる食品を積極的に購入して、普段からどんどん食べています。私は忘れっぽいので、スケジュールを決めて入れ替えするのはちょっと苦手だからです。
これ、現在では「ローリングストック」と呼ばれるやり方で、注目を集めている方法なんですよ。
▼防災首都圏ネット
ローリングストックとは
編集長のローリングストックの中身
画像は、最近買った備蓄食品たち。KALDIと無印良品の缶詰をいろいろ試しています。特に栄養価が気になるので、必ず栄養表示を確認! 非常食ともなれば、糖質とたんぱく質が重要になります。
備蓄缶詰3つを試してみました!
おいしくて何度もリピートしているのは、KALDIの上海風スペアリブ。そのままでも、温めてもおいしい。カロリー395kal、たんぱく質12.8gと、ほどほどによい感じです。
この日の初チャレンジは、無印良品の「にしんの水煮」。これが…あまり口に合いません。そのまま食べるとちょっと塩辛い感じなのです。 そこで、胡麻油で揚げ焼きしたナスと白だしと煮ると、ナスに味がしみこんでめちゃくちゃおいしくなりました。
この日は、KALDIのさばカレーも食べました。さばがどかーん! ご飯は普通に炊きましたが、災害時にはパックのご飯を使います。停電になっていたら電子レンジにかけられないので、湯煎で温めます。15分ほどかかりますが…。
もしガスが来ていなかったら、ここまでの調理はできません。だから、普段からいろんな食品を食べて、いつでも食べたくなるものを備蓄したいと思っています。
ローリングストックという考え方は合理的です。無理なく備蓄ができる仕組み。私はそこに「楽しみ」と「日常」の要素を加えたいと思っているんですよね。
「楽しみ」は、食料品売り場で新しい食品を探すこと。缶詰や瓶詰、保存食などいろんな食品を見て回るだけでも楽しいですね。そしてそれを日常の食事として食べることで、我が家の口に合うものが見つかり、災害時にも「日常」という安心をもたらしてくれるのだと思っています。
編集長おすすめのローリングストック
缶詰のほかの私が特にオススメしたいのは、 次の3つ。
豆乳は賞味期限が4~6カ月先のものが多く、未開封だと常温保存が可能です。たんぱく質も豊富なので、備蓄にピッタリだと思います。
蒸し豆もいろんな種類が出ています。普段のおやつに、パクパク食べています。
そして乾物。常温で保存できるうえ、お湯で戻したりスープに入れたり手軽に食べられますので、いろいろ探してみてくださいね。
防災のプロでも栄養士でもない、ただの食いしん坊の私。普段の食事、普段の買い物の中に「災害に遭ったら…」という気持ちを少し持つだけで、いざという時に落ち着いて自宅避難ができるのではないかと思っています。
いいものマガジンでの「非常食」「保存食」「備蓄食品」の定義
非常食:災害直後、ライフラインが止まっている場合の食品
保存食:非常時に限らず、常温で保存可能な食品
備蓄食品:非常食よりもさらに広義の意味。災害食と呼ばれることもある
※この記事の内容は、2021年4月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。