よく見るL型だけじゃない!ベストな棚受けの選び方
07
2022
Jan
「ここに棚がほしい!」と思ったところに、取り付けるだけで棚ができる棚受け。
存在を知っている人なら、見た目で「こうやって使うんだな」と想像できるので、取り付ける前に、改めて使い方を調べることは少ないかもしれません。
しかし、棚受けには種類があるため、今使っているものがベストとは限りません。
かくいう私、和気産業2年目社員のあらいもんも、棚受けにさまざまな種類があることに気がついて、驚いた人間の一人です。
入社したてのときにリーフ棚支柱を使ったし、ファッション支柱も取り付けたことがあるから、棚受けに関してはばっちり!
そう思っていたけど、和気産業のカタログの棚受け一覧が26ページもあるなんて知らなかった…
え!ちょっとまって、ダボも棚受け!?
棚受けに関して、全然ばっちりじゃなかったので、入社当初から「わからないことがあったらこの人に聞いたらいいよ」と教わっていた、企画部の佐々木さんから棚受けの種類や特徴、注意点について教えてもらいました。
INDEX
「L型」「棚柱」「ダボ」の違いと特徴
カタログの棚受けページの多さに驚きました。棚受けはいったい何種類あるんですか?
棚受けは、土壁の時代から使われてきたレトロな商品です。
時代によって移り変わる取り付け場所に応じて、絶えず進化してきました。
今に至るのは、大きく分けてL型・棚柱・ダボの3種類です。
ダボは接合のイメージが強かったので、棚受けの分類に入っているのは間違いなのでは…と疑っていたのですが、やっぱり棚受けなんですね!
考えてみると、食器棚や靴箱の棚板はたしかにダボの上にのっていますね。
その通り。ダボは三方を板に囲まれている家具に多く使われています。
対してL型は壁面に直接取り付けるものが多く、棚柱はどちらもありますね。
ということは、壁面に取り付ける場合、L型・棚柱どちらも使えるんですね。
何が違うのですか?
棚柱は、支柱にいくつもの棚受けパーツ用の穴があるため、棚板の位置を変更することができます。しかし、支柱や穴が目立ってしまうデメリットもあります。
L型は、位置の変更はできませんが、デザインが豊富です。
なるほど!位置を変える予定がある場合は、棚柱がいいんですね。
棚柱はどちらにも使えるということですが、同じパーツで壁面にも家具にも使えるのですか?
いいえ。
壁面に使う棚柱は、棚板1枚に対して、支柱2本・棚受けパーツ2個が必要です。
一方、三方を板や壁に囲まれているスペース、ここではわかりやすくコの字型とでもいいましょうか。そこで使う棚柱は、棚板1枚に対して、支柱4本・棚受けパーツ4個が必要です。
たしかに、壁面に使う棚柱の棚受けパーツは、2個でも十分支えられそうな大きさですね!
コの字型用は4個必要なのも納得の小ささです。
そうです。コの字型用の棚受けを壁面で使っても、棚板は支えられないので、注意してください。
棚柱を買うことだけ決めていたら、間違ってしまう可能性がありますね。気を付けます。
棚柱は家具に使う場合も、位置を変更できるんですよね。
それでは、ダボは棚板の位置を変更する予定のない棚に使うということでしょうか?
その通り。でも、ダボは新しく棚を作るときよりも、今ある家具に棚板を追加する場合や、ダボを紛失した場合の需要が多いようです。
L型・棚柱・ダボ、それぞれの使用シーンと特徴をまとめてみました。
L型 | 棚柱(壁面) | 棚柱(コの字) | ダボ | |
---|---|---|---|---|
使用シーン | 壁面に棚板をつけたいとき | 壁面に棚板をつけたいとき | 上から見てコの字型の家具や壁に棚板をつけたいとき | ダボが壊れたり、紛失したとき 今ある家具に追加で棚板をつけたいとき |
必要な個数 | 2個 棚板の長さ約800㎜ごとに+1 | 支柱:2本 棚受けパーツ: 棚板の枚数×2 棚板の長さ約800㎜ごとに支柱・棚受けともに+1 | 支柱:4本 棚受けパーツ: 棚板の枚数×4 | 棚板の数×4 |
特徴 | 壁面側の辺が長いものや、補強があるものの方が強度がある | 棚の位置を変更できる 棚受けの固定方法はハンマーで打つものやロックがついているものなどさまざま | 棚の位置を変更できる 好きな長さでカットできる支柱もある | 一般的な穴に差し込むタイプの他に、ねじ式のものや打ち込み式のものもある ※木製ダボは接合の用途が多い |
購入時の注意点 | 棚受けは、棚板の奥行の3分の2以上の長さが望ましい 形が似ている隅金は補強金具であるため、代用できない | 棚受けパーツの種類によって、対応する棚板の奥行が決まっているため、注意書きを確認する 壁面が弱い場合、ハンマーで棚受けを固定するタイプは避ける | コの字の間隔が800㎜以上の場合は棚板が反る危険性あり 取り付けたい場所の幅から支柱の厚みを除いた棚板を用意する | 家具によって、穴の径が違うので、あらかじめ確認する (どうしても合わない場合は側板の穴を広げるか、ダボにテープを巻いて太くする) |
購入時の注意点も大事ですね!特に棚板の奥行、幅は忘れてしまいがちなので、買い出しに行く前に確認するようにします。
この表をおさえておけば、棚受けに関してはばっちりですか?
あとは、実際に取り付けるときの注意点もおさえておきましょうか。
取り付け時の注意点 ~間柱の裏技と水平のコツ~
全ての棚受けに共通していえる、取り付け時の注意点が二つあります。
一つ目は「取り付ける相手の素材が何か」ということです。
相手が石膏ボード壁の場合、間柱を探すか、アンカーを使う必要があります。
もしくは柱を突っぱるか、Dulikeのように壁を作ってしまうのも一つの手ですね。
新商品「ピン止め金具」なら、アンカーやビス不要で棚柱設置可能!
石膏ボード用のアンカーについて知りたい方はこちらをチェック!
簡単に壁が作れる!?Dulikeについて知りたい方はこちらをチェック!
間柱は一度探したことがあります。壁を叩きすぎて、こぶしが真っ赤になりました… 。
間柱は建物の構造上、等間隔で並んでいるので、1本見つけたら隣の柱は大体303㎜か455㎜離れた場所にあります。上手に探してください。
そんな裏技があったんですね!次に間柱を探す日が楽しみになりました。
もう一つの注意点は何ですか?
二つ目は「水平をとること」です。取り付け前に必ず水平器を用意してください。
といっても最近は、スマホのアプリで代用できるので、なくてもどうにかなります。
便利な時代ですね。
棚受けを棚板につけてから壁にあてて水平をとるのと、棚受けだけを壁につけて水平をとるのはどちらがいいですか?
私は棚受けを先に壁につけます。
といっても、両方の棚受けを先に取り付けるのではなく、1個だけ壁につけてから、その上に棚板をおいて、もう片方の棚受けの位置を上下にずらしながら水平をとります。
棚受けに棚板を取り付ける方法でも問題はないですが、棚板が重いと大変なので、この方法をおすすめしています。
たしかに棚板が重いと、水平を確認するのも、取り付けるのも大変ですもんね。
でも、棚受けを1個だけ先につける方法でも、水平を確認したあとのビスで固定する工程で、結局斜めになってしまいませんか?
今までもよくあったんです。ちゃんと確認したのに斜めになっていることが…。
そうならないためのコツをお伝えしましょう。
それは「2人以上で作業すること」です。
棚受け以外のDIYでも、補助の人がいたほうが効率も精度もあがります。水平をとるときに支えてもらったり、離れてチェックしてもらえたりします。
たしかに造作物が大型になればなるほど、作業する人数は増えた方が安心ですね。
棚受けを取り付けるときも、油断せずに、誰かと作業するようにします。
ここまでおさえたら、あとは実践あるのみです。頑張ってください。
今回棚受けについて教えていただいて、また一歩DIY上級者に近づけた気がします。
ありがとうございました!
用途にぴったりの棚受けを選ぼう!
これまでも棚受けについては知っていたつもりでしたが、L型・棚柱・ダボのそれぞれの特徴や注意点を学んで、棚がほしいと思ったときにぴったりの棚受けを選べるようになりました。
「棚がほしい」と思ったときは、一度棚板を付けたい場所と空間、動かすかどうかを考えて、用途に合う棚受けを選んでみてください。
※この記事の内容は、2021年10月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。