ラクしてキレイに収納したい!開発者の想いがつまった新商品『カベッテ(Kabette)』【開発秘話】
12
2022
Jan
2022年1月11日(火)に発売開始の新商品『カベッテ(Kabette)』
『カベッテ』とは?
近年「ディアウォール」や「ラブリコ」を使って、柱や壁を作り、壁を傷つけずにDIYを楽しむ人が増えています。そんな壁面収納のアプリケーションとして、誕生したのが『カベッテ(Kabette)』。
ギザギザ棚支柱・ギザギザ棚受を中心に、線材で雰囲気を合わせたアイテムで、壁面を演出することができます。
大阪にある和気産業本社のイベントルームでは、『カベッテ』の発売準備で、イメージごとの展示を作成したり、レシピ集用の写真撮影を行ったりと、慌ただしくなってきました。
『ウォリスト』など存在感のあるDIY用品が多い中、繊細さを感じさせる『カベッテ』。
「どんな風に考えて作ったんだろう…。」と想像をふくらましていたら、タイミングよく、追加撮影の予定が!
いつもは東京店にいる、開発者の長谷川さんも大阪に来ていたので、ここぞとばかりに撮影に参加し、『カベッテ』についての話を聞いてみました!
INDEX
アクセサリーBAR誕生のきっかけ
長谷川さん、『カベッテ』とっても素敵ですね!
「パパっと!ただいまコーナー」の落ち着いた色合いも、「癒やしのおうちカフェ」のおしゃれな感じも好きなのですが、とくに「私のときめき空間」に力を入れているのではないですか?
飾られている小物やピアスがとっても可愛くて、まじまじ見ちゃいましたもん。
ありがとう。嬉しい!
実はこのピアス、お気に入りの作家さんのハンドメイドなんです。
使ってないときも、ズラッと並んでいるのを見ると癒やされるから、好きな雑貨と一緒にまとめて、好きな空間を作ってみました。
「好きなものに囲まれたドレッサーが欲しい」という私の憧れを形にしたのが、この「私のときめき空間」なんです。
長谷川さんらしさがあふれていますね。好みの変化や季節に合わせて、置くものを変えるイメチェンも楽しめそうです。
そうだね。楽しさも広がりますね。
でも、楽しさだけじゃなく、ちゃんと実用性もあるんです。
外したあと、だいたい机に置いたままになってしまうキャッチ付きピアス。 今までは、気がついたときにいっぺんに片付けていましたが、このアクセサリーBARなら、外したときにサッとしまうことができます。
たしかに、キャッチ付きピアスの収納は、一度キャッチを外して穴に通して、またキャッチをつけないといけないタイプが多いですもんね。
アクセサリーBARはとっても画期的だと思います。
そうなんですよね。
一昨年のDIY SHOWの展示を準備しているときに、穴あきボードとハンガーを使って、フックタイプのピアスのラクラク収納を思いついたんです。
それと同時に「キャッチ付きピアスもこれくらい簡単に収納できたらいいのに。」という思いもわいてきて、どうしたらいいかな~と考えていました。
実は、これが今回『カベッテ』でアクセサリーBARを作ったきっかけなんです。
お気に入りのピアスのためだったんですね。
長谷川さんのように ”ラクしてキレイに” 収納したい!と考えている人は、たくさんいる気がします。
そうでしょ!収納を面倒なものじゃなくて、楽しいものだと思ってほしくて!
私が開発する商品はどれも「収納×楽しい」を意識しているんです。
なんて素敵な考え!私も面倒くさがりなので、すっごく共感します。
一昨年のDIY SHOWから、今回のアクセサリーBAR発売までは2年ちょっと。
この間は構想を練っていたんですか?
構想を練っていたといえるほどではないのですが、何か欲しいなぁーと思い続けていました。
『カベッテ』の素材に線材が選ばれた意外な理由
頭の中にあったアクセサリーBARが、最終的にこの形にたどり着いたのにはどういう経緯があったんですか?
実はね、少し前に企画部部長の河西さんが、電気工事士の資格を取るために勉強してたんです。
実技の練習中、ペンチでコードをねじっていたときに「こんな感じで、棚受を線材で作ったらおもしろそうじゃね?」とギザギザ棚受を思いついたんだって。
河西さんといえば『ウォリスト』の生みの親ですよね。
そうそう。だから「壁面収納」をはじめ、棚受なんかにも造詣が深くて。
でも、棚支柱や棚受だけだと面白くないから、線材を使ったシリーズを作ろう!ってことになって、それで私に「考えていた物を一筆書きで描いてみて。線材だから1本線でね。」と話がきたんです。
どうやったら1本線で描けるか、クイズを解くみたいに、楽しみながら考えました(笑)
河西さんが出てきて「あれ?アクセサリーBARの話は?」と思っていたのですが、そこでつながるんですね。
線材を使うことが決まって、やっと頭の中のアクセサリーBARが形になった、と。
そうなんです。
でも、線材だと思っていた形に作るのは難しく、使いづらそうだったので、鉄板を使いました。アクセサリーBARだけ別の素材だけど、ちゃんと他の線材アイテムに馴染むような形にしてあります。
”ラクしてキレイに” の考え方では、使いやすさは譲れないポイントですもんね!
そうですね。
リュックフックも、パートさんから「フックにかけているわっかの部分が重さに耐えきれず、切れてしまう…。」というお話を聞いていて、「普段使う形のまま、収納できるフックがほしい」と思っていたんです。これは一筆書きにぴったりでした(笑)
たしかに、まさに一筆書き!って感じの形ですね。
ハンギングフックも今までにない商品ですが、これも長谷川さんの一筆書きから誕生したんですか?
そうです。私がいたずら書きのように描いて形を決めました。
実はアクセサリーだけじゃなくて、植物も好きなんです。
可愛いピアスを見ていたら癒やされるように、植物にも癒やされるので、みんなも癒やされてほしいと思って、作ってみました。
『カベッテ』には、長谷川さんの「好き」がつまっているんですね!
高評価だったDIY SHOW!当時名前がなかった理由は?
そういえば『カベッテ』、2021年のDIY SHOWで参考出品されていましたよね?
来場された方の反応はどうでした?
おかげ様で大好評でした。
ギザギザ棚支柱に関しては「天才!」という声を何度か耳にしました。
リュックフックへの「わっかが切れるのあるあるだよね。」といった、共感の声もたくさんいただきました。
あとは、この展示に関して「DIYは”かっこいい”が前に出ていることが多いけれど、女性らしくて新鮮。」「俺には分からない世界だけど、なるほどね。」と言う男性も多かったかな。
女性のバイヤーさんには「このまま家にほしい!」「アクセサリーBARはどこで買えますか?」と言われたりもしました。そんなに人気になるとは思っていなかったようで、河西さんが驚いていました(笑)
嬉しい感想ばかりですね!
そういえば、DIY SHOWのときには名前の記載はなかったですよね。
形にはなっていたのに、名前がなかったのは何でですか?
ほんとはDIY SHOWに間に合わせたかったんだけど、見事にどれも商標登録できなくて…。
商標登録の壁があったんですね。たくさんの商品名はどのように考えたんですか?
「壁面を演出する」「線材でできている」「物を置く、ひっかける」「自然」「創造」「応用」「大切」などのキーワードをたくさん出して、組み合わせて言葉を探しました。
しっくりくる言葉ができたら、商標として登録可能かどうか、特許庁のサイトで調べて、問題なければ弁理士事務所に登録をお願いするんです。でも、今回はその時点でアウトが多くて、何度も何度も言葉を探し続けました。
ここだけの話、『カベッテ(Kabette)』になるまで、没になった案が30個くらいあります。
そうだったんですね…!
でも私は『カベッテ』って名前に愛着がわいているので、よかったと思います。
「かべ、いじってねー!」って感じだよね(笑)
「微調整」でわかる!開発のこだわり
名前が決まってからは、とんとん拍子でしたか?
それがね、いろいろ微調整したから、結構バタバタだったんです。
そうだったんですね。どこを微調整したんですか?
一番わかりやすいのはギザギザ棚受を、よりひっかけやすく、抜けにくくする微調整かな。
支柱にひっかける部分の返しを、直角より少し内に入れることにしました。
これでも十分だと思っていましたが、言われてみればちょっとだけ外れやすい気がします。
そうなんです。そういったところを、見逃さずに調整するのが大事なんです!
開発のこだわりって感じがして面白いですね。
他にも、開発当初から変わったところがあったら教えてください。
大きく変わったのは、やっぱりギザギザ棚受。
最初はこの形じゃなくて、ロの字型だったんです。
この特徴的な形じゃなかったんですね!この形になったのは何故ですか?
ロの字型でサンプルを作ってもらって、試しに取り付けてみたら、荷重に耐えられなくて…。 この形にして、太くすることで強度を増すことに成功しました。
横から見ても美しく見えるように、棚板の枚数ごとに直線の長さも変えています。
すごい!こだわりがつまりにつまってますね。
もしかして、リュックフックだけビスの数が多いのも微調整によるものですか?
よく気がつきましたね!
試作品を取り付けてみたら、左右の荷重のかかり方の違いで金具が傾いてしまったんです。それで、傾かないようにするためにビスを2個ずつにしました。
やっぱり調整の結果だったんですね。
でも、これだけ微調整を繰り返したとなると、工場とのやり取りが大変だったんじゃないですか?
そうですね。大変なときもありますが、やり取りする中で発見もあって楽しいです。
『デュライク』など、他の製品もいくつか作っていただいている工場だから、相談にのってくれたり、知恵を貸してくれたりもしました。
和気産業でいつもお世話になっている、国内の工場ですね!
今までの積み重ねがあって、『カベッテ』が形になったと考えると、感慨深いです。
『カベッテ』で壁面を演出しよう!
微調整を繰り返して、完成した『カベッテ』。
まもなく発売開始ですが、長谷川さんはどんな人に使ってほしいですか?
いろんな人の普段使いのひとつになれたら嬉しいな。
私みたいに、キレイにしたいとは思っているけど、面倒なことは苦手な人にもおすすめ。床にモノを置いちゃうとか、机の上が散らかっちゃうとか。
『カベッテ』を使って、一度どこに何を置くか決めたら、モノに住所ができるので、元の場所に戻す習慣がつくし、なくなっても気がつけます。ピアスが片っぽだけになっちゃうこともなくなるかも!
モノの住所を決めるの大事ですよね。
たくさんパーツがあるので、自分にぴったりのパーツを選んで、いくつか組み合わせて使うとよさそうです。早速、アクセサリーBAR2種を使った収納のアイデアがわいてきました!
『カベッテ』を使った簡単アクセサリー収納
お!いい感じですね。
最近はロボット掃除機も増えているし、浮かせる収納にも一役買ってくれると思います。
今回は『カベッテ』の開発秘話を存分にお聞かせいただき、ありがとうございました!
撮影に参加したり、裏側をこんなに教えてもらったのもあって、ホームセンターに並んでいるのを見たら、感激しちゃうかもしれません。
そうですね。私も毎回感動しちゃいます。
あらいもんもたくさん協力してくれてどうもありがとう。
みなさま、並べて・吊るして・飾って『カベッテ』をどうぞよろしくお願いいたします。
※この記事の内容は、2021年12月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。