企画・撮影・編集まで全て社内で!和気産業の動画ができるまで
12
2023
Jun
2022年に100周年を迎えた和気産業。歴史は長いですが、新しいことへのチャレンジも大切にしています。動画もその一環で、2010年に生配信で商品を紹介するWAKIテレビを、2011年にはYouTubeに動画の投稿をスタートしました。今ではどの企業も当たり前に使っている動画ですが、当時は普及しはじめたばかりで手探り状態でした。そこから今に至るまで投稿を続け、現在では動画が300本、登録者も2800人になりました。
実はそれらの動画、全て社内で作っているんです。今回は動画を作っているEC事業部の岩本さん、特販課の平野さんにお話を聞いてみました。
INDEX
社内で動画を作っているのは未経験者!
数年前から定期的にYouTubeに動画をアップロードしているお二人ですが、きっかけは何だったんですか?
私は、EC事業部が運営しているネットショップへの流入を増やすためです。
2019年に動画をはじめるまで、ネットショップへの流入経路はGoogleやYahoo!などの検索エンジンが9割。当時、YouTubeは世界第2位の検索エンジンだといわれていて、実際、料理やメイク、ハウツー動画を見るのが当たり前になっていました。そこで、DIY用品も文字や写真で紹介するだけでなく、臨場感が伝わる動画で見せることで、より興味を持ってもらえるのではないかと考えたんです。
そこからは半年間毎週動画を作成すること、月に1回は動画経由でネットショップに買いに来ていただくことを個人目標に掲げ、無事に達成。効果があることを実感したので、当初のペースほどではないですが、現在も定期的に動画を作成しています。
自主的に毎週動画を作成していたんですね。それまでに動画を作ったことがあったんですか?
ありません。でも、動画を作る前からWAKIテレビで司会をやっていたので、抵抗はなかったですね。
なるほど。生配信に慣れていれば、動画も怖くないですね。平野さんはどうですか?
はじめたきっかけは、商談でたくさんの得意先から画像や動画の充実を希望する声があったことですね。
特販課は通販系の企業がお客様。実物の商品を見られるホームセンターに比べて、写真では用途や特徴が伝わらないこともあります。画像をたくさん入れたり、動画で補足したりすることで売上があがることがあったので、それならばと動画を作りました。
私も入社するまで動画を作ったことはなかったです。面白そうと思っていたので、興味はありましたが。
お二人とも昔から動画を作っていたのではなく、業務の延長線上で作りはじめたんですね。
専属で動画を作るのではなく、それぞれが他の仕事もしながら、企画から撮影、編集を一人でやっているのは、すごいことだと思います。
WAKIテレビがあったことによって、全社的に動画に出演したり、動画の内容を考えたりすることのハードルが下がっていたのがよかったのかもしれませんね。
たしかに、私も社内でTwitter用に動画を撮影することがあるのですが、ベテランも若手も協力的でありがたいです。
私の部署でも、新入社員が撮影・編集にチャレンジしていました。
社用携帯として最新のiPhoneが貸与されるのも大きいかもしれません。
iPhoneがあれば、撮影も編集もどうにかなりますもんね。
追加で機材をそろえる必要がないから、動画の第一歩を踏み出しやすい環境なのかも。
まるでYouTuber!EC事業部岩本さんの動画作り
まずは岩本さんの動画作りから掘り下げていきたいと思います。
動画を撮るときのコンセプトを教えていただけますか?
悩んでいる人がたどり着いて、動画を見ることで「これなら解決できそう!」と思っていただくことをコンセプトにしています。動画を見て、ここってどうなの?と気になるところが出てこないように、伝えたい情報をあますところなく全て伝えているんです。
これも言っておけばよかったと撮影後に気がつくなんてことはないんですか?
伝え漏れがないよう事前に台本を作成して、100%その通りに読んでいるので、そういうことはありません。
台本を読んでいるんですね!気づきませんでした。
台本を読んでいますが、紹介しているものは全て私たちが良いと思っている商品なので、熱を込めて話しています。その分、ちょっと早口になっちゃいますが、それもいいのかもしれませんね。
良い商品だと思っているのが伝わってくるから、岩本さんの動画は最後まで見ちゃうんですね。
次に撮影の流れを教えてください。
撮影前の下準備が9割ですね。
まず、ターゲットとなる人はどんな人か、その人は何を知りたいかといったことから考えて、伝えたいことを台本におこします。画角や立ち位置を決めた絵コンテ、タイトルとサムネイルも撮影前に決めています。
撮影はハンディカムで、環境音が入らないようにワイヤレスのピンマイクを使用しています。カメラはずっと回していますが、一気に話すのは一段落ずつ。長くても2分以内です。台本を覚えて、覚えたところを話してを繰り返していて、話しているところだけを切り取るので、編集も楽なんです。
サムネイルまで決めてから撮影しているんですね。驚きました。
動画で紹介するものと、そうでないものの違いはなんですか?
写真や文章だけでは、良さが十分に伝わらない商品を動画にしています。
例えば、面格子の目隠しができるマドミラン。見た目も機能もとても良い商品なのですが、実際に使ってみないと良さがわからない商品でもありました。
面格子にすだれをつけるお家が多い中で、「外からもすっきり見えるマドミランは知られていないだけでほしい人がいるはず!広めないと!」と動画にしたところ、興味を持ってくださるお客様が増え、売上にもつながりました。
この動画を見て私もほしくなったので、お客様の気持ちもわかります。
コメントもたくさん届いていますよね。
自分のお家でも取り付けできるかを具体的に尋ねる質問がたくさん届いていて、コメント欄が動画の補足にもなっていますね。こちらとしても、お客様の知りたい情報を直接知れる場なので、しっかり返信するようにしています。
コメント欄にはそんな効果もあるんですね。
動画を作るうえで、気をつけていることはありますか?
デメリットもありのまま伝えることです。自分が使ってみて感じたことや、社内で出た感想もそのまま伝えることで、ミスマッチを避けることができます。
実際、動画を見て商品を購入してくださった方からの返品はゼロに近いですね。
デメリットも伝えてくれると信用できます。岩本さんは社内の立派なYouTuberですね。
メーカーさんと一緒に!平野さんの動画作り
続いて平野さんの動画作りについて、お尋ねします。
動画を撮るときのコンセプトを教えてください。
知りたいことがすぐわかるように、短く簡潔に伝えることをコンセプトにしています。
岩本さんの動画とは種類が違って、店頭やネットショップで購入を検討している方に見ていただくことが多い動画なので、お客様が一番知りたい情報が大きい文字ですぐに出るようにしています。
なるほど。動画の使い道が違うと構成も変わるんですね。
ネットショップの中には動画がある商品とない商品がありますが、何が違うのですか?
基本的に使い方がわかりづらい商品を動画にするようにしています。自分が使い方がわからない商品は、お客様もわからない方が多いと思うので、積極的に動画にしていますね。直接メーカーさんに聞ける強みを活かして、メーカーさんと一緒に作ることもあります。
メーカーさんと一緒に動画を作ることもあるんですね!
良い商品を作るけれど、PRは得意でないメーカーさんもいらっしゃるので、そういった場合は積極的に一緒に作るようにしています。例えば、シャーメンはアピールできるチラシ等がなく、使い方も難しかったので、先方にお伺いして、お話を聞きながら一緒に撮影しました。
逆にメーカーさんがしっかりしたPR動画を持っているときでも、あえて自分で撮影することもあります。
動画があるときも動画を撮るんですか?
PR動画はメーカーさん視点の内容。魅力は伝わるかもしれませんが、やっぱり実際に自分で使ってみないとわからないところもあると考えています。そういった、使う側目線の情報も動画で伝えていきたいです。
たしかに、商品を買うか検討するとき、使ってみた方の感想を参考にすることってよくあります。
他にも動画にする基準はありますか?
使い方が難しい商品の他には、新商品も動画にするようにしていますね。
新商品を動画にするのはなぜですか?一般の方に認知していただくため?
それも少しはありますが、基本的には商談で使うためです。
新商品を導入していただきたいとき、実物を持っていっても、その場では使えなかったり、説明が難しかったりすることがあります。そんなとき、短くわかりやすい動画を用意していれば、補足情報としてとても役に立ちます。それに商品の導入が決まった後も、商品情報として入れることができるので、一石二鳥なんです。
商談用だったんですね。 きっとYouTubeにたどり着いた一般の方にも役に立っていると思うので、一石三鳥です!
動画はどのように撮影していますか?
私は岩本さんと違って、とてもシンプルです。絵コンテを描いて展開を考えますが、セリフがないので、そこまで時間はかかりません。撮影時も使うのは、iPhoneと三脚くらいです。準備から編集まで、一週間かからないくらいでできます。
商談用であれば、商品が並ぶ前から動画が必要ですもんね。
目的によって、動画の作り方が全然違うことがよくわかりました。
商品を使うとどんなお悩みを解決できるかを伝えるのが商社の仕事
岩本さんも平野さんも、まだ知られていない商品の魅力を伝えるために動画を活用していました。
和気産業はいつの時代も様々な手段で、商品の使い方やどんなお悩みを解決できるかを伝え続けています。動画はたくさんある手段の一つで、中にはPOPやTwitter、DIY SHOWの展示で魅力を伝えている社員も。100年の歴史をさかのぼると、新聞広告で伝えている時代もありました。昔から変わらず、生活者の視点に立って情報発信をしているんです。
これからもたくさんの人に知ってほしい、届いてほしい商品は、いいものマガジンウェブはもちろん、YouTubeやSNSでも取り上げていきます。