DIYこぼれ話
永久磁石は、永久に使えるわけではないってホント?

永久磁石は、永久に使えるわけではないってホント?

21

2024

Mar

磁石には大きく分けて、「永久磁石」と「電磁石」の2種類があります。

電磁石は、電気が流れている間だけ磁石になるものを指します。電気を通している間だけ磁力をもつので、電気を通さなければ磁力は発生しません。リニアモーターカーは、この電磁石(超電動磁石)によって動く仕組みです。

一般的に磁石と呼ばれているものは、「永久磁石」です。基本的には、半永久的に磁力をもつと考えられています。しかし、「絶対的に永久に」とはいえないそうなんです。

永久磁石が「永久に使える」とは言い切れない理由

実は熱を加え、ある一定の温度に達すると磁力を失ってしまいます。この温度をキュリー点といいます。キュリー点以上を超えた後、室温に戻しても磁力は元にもどりません。これを「解消磁」といいます。

キュリー点を一度でも超えると磁力を失い、温度が下がっても磁力は戻らない(解消磁)

キュリー点は材料によって変わるので、何度とはいえないのですが、300℃以上となっているものも!
そのため、一般的な使用でキュリー点に達することは考えにくそうですよね。

ただし、ゴムやプラスチックを混ぜて作っている磁石は、磁石以外の素材部分が、そもそも熱に弱いため例外です。

キュリー点には達しなくても…永久磁石は温度に弱いので要注意

磁石を加熱すると熱エネルギーが加わり、磁力に影響します。具体的にいうと、気温が上がると磁力が下がり、気温が下がると磁力が上がるということです。しかし、キュリー点に達していなければ、常温で元に戻ります。

磁力は気温がアップするとダウンし、気温が下がるとアップする。キュリー点に達しない場合は、常温で元に戻る

台所で使っているマグネットの近くに火元がある場合、その熱エネルギーで磁力が落ちている可能性はあります。もし思い当たる方は、一度常温になる場所へ移動させてみると、磁力が回復するかもしれませんね。

強い磁力に近づけても磁力がなくなったわけではない

キャッシュカードやクレジットカードを、強い磁力のものに近づけてしまったせいで、使えなくなったという経験をおもちの方もいると思います。熱は関係ないじゃない?と思われたかもしれませんが、あれは磁気が弱くなってしまっただけで、完全になくなったとはいえない状態です。

なぜそんなことが起こるのか知りたい、磁石についてもっと知りたいという方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

※この記事の内容は、2018年のいいものマガジン紙面に記載した内容を元に、2024年新たに取材した話を加えて作成しています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。 

2024.03.21
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