指紋認証錠の初期設定をわかりやすく!取扱説明書づくりの苦労を担当者に語ってもらいました
13
2024
Dec
2024年11月に販売を開始した『指紋認証パドロック』。
指紋だけで解錠できて便利と評判ですが、実はこれを販売するために超えなくてはいけないハードルがあったんです。それが「取扱説明書」。
「え、そんなおおげさな…」と思った方にぜひ聞いていただきたい、「取扱説明書誕生までの道のり」をご紹介します。
INDEX
手がかりは中国語の説明書!?
『指紋認証パドロック』すごいですね。私も指紋登録という最初のステップをやってみましたが、取扱説明書、すごくわかりやすかったです。
そう言っていただけると、ほんとにうれしいです!実は、この形にたどり着くまでが、めちゃくちゃ大変だったんですよ!
指紋認証錠自体は、もともと世の中にあった製品で、その説明書が中国語で書かれていたんです。
え、中国語ですか?
そうなんですよ。中国語を和訳した原稿というのをいただいたのですが、さっぱりわからなくて…。
翻訳した文章がわかりづらいって、あるあるですよね(笑)。
何度も読み返してみたのですが解読できず…。途方にくれていたところ、あらいもんがQRコードを見つけてくれたんです。で、そこに飛んだら英語で書かれた説明書と動画が見つかりました。
それは、本当に良かった!
英語の翻訳と動画を見て、やっと操作方法がわかりました。指紋認証錠が便利な製品だってことがわかり、とにかくがんばって「誰にでもわかる取扱説明書を作ろう」と思いました。
一般的な白黒の取扱説明書では限界が…
通常、取扱説明書といえば白黒が一般的です。今回も「モノクロで作ってください」と指示がありました。なので私も、そのつもりで作り始めました。まず表面は、「こういう使い方はしないでくださいね」「設定する際に暗証コードがあるので覚えておいてくださいね」「設定する際にはライトが光るので、それについても知っておいてくださいね」といった、一般的な取扱説明書に、よくある項目を並べました。
はい、確かに一般的なことが書かれていますね。
で、裏面がこちら。初期設定の方法を文章で書いているんですが、これわかります?
う~ん確かに…これじゃあ難しいかも。さっきのカラーの取扱説明書とは全然違いますね。これを見ながらの初期設定だと…私は難しかったかもしれません。
そうですよね。実際、この取扱説明書を見ながら、社内の数名に設定してもらったのですが、できる人とできない人がいまして…。
ふだんからカギに慣れている和気産業の社員さんでも、難しかったんですね。
そうなんです。社内の人にできないなら、一般の方は、もっとわからないはず。そもそも、この初期設定では「ブルーが点灯したら」「ピンクが点滅したら」といった現象に沿って進んでいく必要があるので、カラーにしたほうがわかりやすくなるのではと思ったんです。
カラーにするだけじゃダメ!光のスピード問題
白黒よりは断然カラーが、わかりやすそうですね!
ただ、文章で書いているところに色づけしただけでは、まだわかりづらいと思いました。ブルー・ピンク・レッドの点灯や点滅に合わせて操作するので、その機械のスピードについていくのが、文章の説明だけでは難しいんですよね。
確かに。ブルーが点灯したら指を離す、ピンクが点滅したら2回タップなど、光に合わせた操作って、完成形の取扱説明書だからこそ、すぐに理解できたと思いますね。
この取扱説明書を作るまでに、同じく操作が難しい時計の取扱説明書なども参考にしたんです。ただ、時計の場合は自分のペースで操作できるけれど、指紋認証錠の場合は光のスピードに合わせて操作する必要がある。
だから文章だけではなく、カギ側の光の動きを一個ずつ書いて説明する必要があると考え、この形にしました。
動画も、手元がわかりやすいようにアップで撮影しました。
動画もすごくわかりやすいです。動画と取扱説明書を見ればバッチリですね!
最初にザッと取扱説明書に目を通してもらって、動画を見て、それから取扱説明書を見ながら操作してもらったら、より理解しやすいと思います。
誰もがわかりやすい取扱説明書を!
完成した取扱説明書はとてもわかりやすかったですが、これにたどり着くまで、こんなに苦労されたとは…。お疲れさまでした!
完成した取扱説明書も、まだ完璧とはいえないかもしれません。販売後はお客様の声が届くと思いますので、それを聞いて改善できるところは改善したいなと思います。
すごいですね。和気産業さんの「取扱説明書への想い」を改めて感じることができました!
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和気産業は、取扱説明書を「役立つもの、読みたくなるもの」にしたいと日々奮闘しています。その一つが、今回作った取扱説明書です。商品を買わなくても、取扱説明書や使い方の動画は見られるので、ぜひ一度ご覧いただけるとうれしいです。
※この記事の内容は、2024年10月28日の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。