
人気のピラシェルシリーズに新作登場!縦長スペースを有効活用できる『ピラシェル+(プラス)』開発秘話
21
2025
Apr
簡単に可動棚が作れる棚柱として、2018年の発売開始から、順調に売上を伸ばしているピラシェルシリーズ。『パイプ用ブラケット』や『ボード止めブラケット』など、パーツの種類も増え、2022年には石膏ボードに取り付けが可能になる『ピン止め金具』の発売が開始し、その人気はさらに高まっています。
ピラシェルシリーズについてはこちらをチェック!
これまでのピラシェルシリーズは、支柱を2本使って間に棚板などを作る使い方のため、狭いスペースで活用するのは難しく、設置をあきらめた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
『ピラシェル+(プラス)』は支柱1本で棚を作ることができる、狭いスペースでも大活躍の新商品です。開発担当者の河西さんと長谷川さんにお話を聞いてみました。
INDEX
「収納を増やしたいけどスペースがない」を解決!

2024年のDIYショウでも参考出品していた『ピラシェルプラス』。人気のピラシェルシリーズ待望の新作ですね!どんな経緯で開発がスタートしたんですか?


開発のきっかけは私やパートさんのお悩みからです。
洗面所にドライヤーの置き場がなくて、洗濯機の上に置いたり、洗濯機にマグネットでボックスをはりつけたりしていましたが、振動で落ちてしまう、ズレてしまうことが多く困っていました。空いているスペースが少ないと、新しく棚を作るのも難しくて…。
横幅はないけど、縦長の隙間なら空いていると思って、そこを活用できる収納を考えはじめました。


そのお悩みを聞いて、思いついたのがピラシェルの1本使いです。
棚柱は昔から長く使われていて、ピラシェルのストッパーのように固定方法の変化はあるものの、形は変わっていません。そんなピラシェルを使って、違う使い方を生み出せるのではないかと考え、支柱を1本だけ使って棚を作ることを提案しました。

ピラシェルは洗面台で使っている方も多いですが、洗濯機上のスペースを活用している印象です。洗面台の側面など、狭いスペースが活用できれば、もっと使いやすくなりそうですね。

ピラシェルには『ピン止め金具』があるから、間柱の位置も気にせず施工できます。1本で使える『ピラシェルプラス』を開発することで、これまであきらめていた狭いスペースも有効活用できると考えました。
実用的にするために!固定方法の確立と強度アップ

『ピラシェルプラス』はピラシェルシリーズと全然違う形ですね。

使う支柱は同じですが、引っかける部分の構造が違います。
2本の支柱で棚を作る場合は、支柱に引っかける部分は棚の端になりますが、『ピラシェルプラス』の場合は棚の中心になるからです。ピラシェルシリーズは棚受けの形状でストッパーがついていますが、『ピラシェルプラス』は棚受けの形状ではないので、従来のストッパーでは固定することができません。


なるほど。中心で固定するためには、別の固定方法が必要なんですね。

そうです。とはいえ、新しいストッパーを作ってしまうとコストがあがってしまう。そこで、世の中にある既存のパーツで固定できる方法はないかと考えました。そこで思いついたのがカヌークリップです。


カヌークリップ?

カヌークリップは、車の内装などによく使われているパネルの接合や固定、穴埋めに使うクリップです。形や大きさが何千種類もあるので、ピラシェルの支柱の溝にそのまま使えるクリップをメーカーさんと一緒に探しました。

カヌークリップを使って、どのように固定するんですか?

支柱に引っかけた部分の上部の穴にカヌークリップを差し込むことで固定します。力が必要なので、スプーンなどで押し込みます。ぴったりサイズなので、多少ぶつかったくらいでは取れません。


物をしまったり、当たったりするたびに外れてしまうと、ストレスになると思うので、外れないのは大事なポイントだと思います。

穴の形状もカヌークリップに合わせた四角に変更しました。
棚やフックの位置を変更したいときは、マイナスドライバーを隙間に差し込むことで取り外せます。ピラシェルシリーズのストッパーと比べると少し手間ですが、その分しっかり固定できるので使いやすいと思います。


カヌークリップを見つけて『ピラシェルプラス』が完成したんですね。

カヌークリップを決めた後も、より使いやすくするため、複数回調整しました。
横ブレを防ぐために支柱を囲うようなコの字型に変更したり、強度を上げるために、補強を増やして線材を太くしたりとDIYショウの参考出品から変わった部分も多いです。


横ブレを防ぐためにコの字型なんですね!
使いやすさを考えて試作を繰り返す間に、どんどん実用的になっていくのがわかります。
バスケットやシェルフはメッシュパネルの人気商品から!

『ピラシェルプラス』にはさまざまな形がありますね。

パーツはドライヤーフック、トレー、バスケット Tall・M・L、シェルフの6種類です。色はピラシェルシリーズと同じく、ツヤがある白色とマットな黒色の二色展開です。


バスケットは3種類あるんですね。どうしてこの形になったんですか?

バスケットやトレーの形は30年以上のロングセラー商品であるメッシュパネルの引掛けカゴを参考にしています。狭いスペースで使うことを想定して、横幅や奥行を抑える設計にしました。
線材を太くして、一部フラットバーを使うことでよりスタイリッシュなデザインになっています。


長年愛されている形なら、使いやすいこと間違いなしですね!
ドライヤーのためのフックもあって、長谷川さんやパートさんのお悩みも解決しそうです。

世の中にはさまざまな太さ、長さのドライヤーがあるので、ドライヤーフックの形は正直迷いました。最終的にシンプルな形にすることで、できるだけ多くのドライヤーに対応できるようにしました。


たしかに長くても、短くてもかけられる形ですね。
これまでドライヤーはコードの根元の輪っかをフックにひっかけて、逆さまに収納していました。『ピラシェルプラス』のドライヤーフックは、使うときのそのままの形で収納できそうで便利です!


よかったです。形状にもよりますが、お好きなように引っかけていただければと思います。

バスケットやトレイ、シェルフはどんなものを入れるイメージなんでしょうか?

Mは化粧水などのボトル、Lは洗剤が入るサイズです。
Tは深さがあるので、ヘアブラシやシェーバー、電動歯ブラシなんかも丁度いいです。
シェルフは最近増えている美容家電の置き場にいいかなと思って作りました。
支柱の分、棚が前に出ているので、コード式の充電器もつないだまま置けます。

コードを通せるのは結構嬉しいポイントですね!用途に合わせて使い分けられそうです。

洗面台のほか、玄関に設置してカギや時計、アクセサリーを置いたり、ベッドサイドに設置してスマホやスマートウォッチの充電スペースにしたり、さまざまな場所で活躍します。 S字フックを使うことで、棚の下のスペースも活用できます。

横長の棚は難しいけど、縦長のちょっとしたスペースならあるってご家庭も多そうです。ドライヤーの置き場所に困っている方はもちろん、たくさんの方にご使用いただきたいですね。
スぺパを向上させる可動棚!ピラシェルプラス販売開始
『ピラシェルプラス』は2025年4月下旬から発売を開始します。
スペースがなくて、棚を設置するのをあきらめている場所、ちょっとした置き場があったら便利なのにと思っている場所に最適な『ピラシェルプラス』。


スペースパフォーマンスを向上させるための新しい選択肢として、是非ご活用ください。
※この記事の内容は、2025年1月の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。