防災フィルムを貼るのは内側?外側?役割を知ればわかる正しい使い方
18
2020
Oct
窓ガラスに貼る防災フィルムの役割を「窓ガラスが割れないようにするため」と思っていませんか? 実は防災フィルムは、窓ガラスが粉々に割れるのを防ぐ役割はあっても、窓ガラス自体が割れないわけではないんです。では、なんのために貼るのでしょうか?
INDEX
防災フィルムの役割は二次災害を防ぐため
防災フィルムを貼る目的は、災害でガラスに飛来物が当たってしまった際に、たとえガラスが割れても、その破片が飛び散らないようにするためです。
破片が飛び散ってしまうと、その破片でケガをしたり避難経路が塞がれたりという二次災害が発生する危険性があります。それを防ぐのが防災フィルムの役割なのです。
知られているようで実はあまり知られていないこの事実。だから貼り方を間違えている方も案外多いようなんです。
防災フィルムは窓の内側に貼るか外側に貼るか、どちらが正解だと思いますか?
防災フィルムは必ず窓の内側、つまり部屋側に貼りましょう!
外からの衝撃で窓ガラスが割れても、部屋の中に破片が飛び散るのを防ぎます。
なぜ防災フィルムを貼ると、破片が飛び散らないの?
防災フィルムは「フィルム」と「粘着剤」の二層からなっています。「フィルム」と「粘着剤」は、それぞれこんな役割を担っているんですよ。
・フィルム:破れにくいポリエステルフィルムで、破片の飛び散りを抑えます(JIS規格品)
・粘着剤 :強い粘着によりガラスの破片を保持します(JIS規格品)
「粘着剤」とは?
粘着剤は、液体と固体の両方の性質をもち、常に“ぬれた”状態を安定して保っています。
そのため、貼りついた状態で固定しているようにみえますが、実は粘着剤自体は「ベタベタ」のまま。だから、破片を粘着部分に貼りつけることができるわけですね。
粘着剤については、この記事でも詳しく説明しています!
なぜ防災フィルムには、貼って剥がすタイプがないの?
窓に貼るガラスフィルムには「防災」以外にも「防犯」「目かくし」「装飾」「省エネ」など、さまざまな種類があります。
最近は賃貸で使える“貼って剥がす”タイプのガラスフィルムも増えてきましたが、「防災」「防犯」に関しては、この“貼って剥がす”タイプは存在しません。
なぜなら、“貼って剥がす”タイプのガラスフィルムは「粘着剤」を使用していないからです。粘着剤を使用しないと「ガラスの破片を保持」しないので、防災・防犯効果を発揮することができないというわけです。
防災フィルムの正しい用途を知って、有効に役立ててほしい
防災フィルムの正しい用途を知っていないと、間違った使い方をしてしまうことになりかねません。もし、あなたの周りにもご存じない方がいらっしゃれば、ぜひ正しい用途を広めていただければと思います!
なお、防災フィルムは窓ガラスだけでなく、食器棚のガラス部分などにも貼ることができます。この場合は中の破片が部屋側に飛び散るのを防ぐ必要がありますから、食器棚の外側に貼ってくださいね。
フィルムよりも手軽な防災テープもあります!
※この記事の内容は、2020年8月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。