掃除チェックに偽造チェック、アニサキスまで丸裸に!?ブラックライトができること
02
2021
Mar
ブラックライトというと、どんなイメージをおもちですか? 言葉は知っているけれど、使ったことはないし、使い方もよくわかならい…という方も多いかもしれませんね。
もともとは工業用として使われることが多かったのですが、その機能性が知られるようになると「こんなことに使えるのでは?」「こんな問題を解決できるのでは?」と、活躍の幅が広がっています。
実は身近な場所でも使えることがわかってきたブラックライトの活用例を、たっぷりと紹介します!
INDEX
掃除の成果が丸裸に!?キッチンやトイレは思った以上に汚れている!
ちょっとお恥ずかしいのですが、これは築20年の我が家のキッチンの壁です。左側の写真を見ると、まぁ築年数による劣化はありますが、一応掃除はしているかな…という感じ。
ところが! 部屋を暗くしてブラックライトを当ててみると…なんと、これだけの油が飛び散っているではありませんか!! ブラックライトは主に紫外線と同じ光なのですが、これは蛍光に反応するだけでなく、油や尿、ほこりなどにも反応するんです。
だから今、キッチンやトイレの掃除チェックに使われているというわけ。個人的にはちょっぴり怖かったのですが(苦笑)、ブラックライトには、こんな使い方もあるのです。
ブラックライトについて詳しく知りたい方はこちらもチェック
精密機械の小さな傷も見逃しません!
人の目では見えないものを映し出す力のあるブラックライト。その性質を生かして、航空機の金属部品、電子基板のチェック、エアコンのパイプや車など大型機械のメンテナンスでも使用されています。
たとえば、小さな傷が命取りになる航空機の部品。金属疲労している箇所に蛍光塗料を散布したあと洗い流すと、目に見えない微少な傷の中に蛍光剤が残ります。それをブラックライトで照射して見つけるというわけです。
偽造はブラックライトであぶりだす!?
ご存じのとおり、紙幣にはさまざまな偽造防止技術が施されています。さわってわかる「識別マーク」や、すかしてわかる「すきいれ」、傾けてわかる「ホログラム」なども、あります。
そしてもうひとつ、道具でわかる偽造防止術もあります。それが、ブラックライトで浮かび上がる「偽造防止インク」です。
375nmのブラックライトで浮かびあがるオレンジ色の蛍光インク。このインク、なんと400nmのブラックライトでは浮かび上がらせることができません。
そのほか、クレジットカードの偽造防止マークの確認、鉱物・宝石などの確認に使われることもあります。
アニサキスとブラックライトの関係は調査中!
ここ数年、「アニサキスによる食中毒」が問題になっていますよね。実は、このアニサキスもブラックライトでチェックができる…との噂が。
これについて、ブラックライトのパイオニアである株式会社コンテックの課長、山田隆一さんに聞いてみました!
アニサキスがブラックライトで発見できるって本当ですか?
そういう研究が進んでいるようです。実際、アニサキスをブラックライトで見つけることは可能なようですが、100%確実かというとそうではありません。
なんでも100%は難しいですよね…。
ブラックライト自体が研究途中なので、まだ「●●に反応する」ということが判明していないんですよ。アニサキスの何に反応して光るのか…なども、まだ研究段階のようです。
ただ、アニサキスの食中毒問題は、厚生労働省からも通達がでているほどです。今多くの施設で研究されていますので、今後確実に発見できる製品なども期待したいところですね。
ブラックライトは発展途上?研究が進めばもっと身近な存在に!
ブラックライトを自分で使う日がくるなんて、思ってもみませんでした。我が家では、ちょっぴり怖い結果になりましたが、おうちをキレイに保っていらっしゃる方なら、使ってみたいと思われたかもしれませんね。
これまではどちらかというと、工業製品の検査や偽造防止などで使われていたということで、なじみが薄いイメージでしたが、こんなふうに使えることがわかってくると、さらに身近な存在になっていきそうですね。
ブラックライトが気になった方は、こちらの記事もぜひ読んでみてください。
LEDブラックライトは要注意!
※この記事の内容は、2020年10月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。