実演販売する側の人に聞いてみた!実演販売の厳しさ&面白さ。ガナ・ジャパンの中原さんが、実演販売1,000回を目指すわけ
17
2023
Apr
みなさんは実演販売と聞いて、何を思い浮かべますか? 「深夜のテレフォンショッピングを見ていると、つい電話しちゃう」「お店でやっていると、なんとなく近づきにくいなぁ」などと感じている方もいらっしゃるかもしれませんね。
そこで今回、実演販売を愛してやまないという中原さんにお話を伺いました。
ガナ・ジャパンの中原さんは、コロナ禍で爆発的にヒットした『すっごい掃除水』や、頑固な汚れを落としてくれる『すっごい水垢取り』の実演販売をされています。間もなく500回を超えるという中原さんに、編集部の鈴木と栗栖が根掘り葉掘り、聞いてみました!
『すっごい掃除水』は、新型コロナに有効ということで大注目された製品!
INDEX
コロナ前とコロナ禍で実演販売に変化が生まれた!?
中原さんは、いつから実演販売を始められたんですか?
2016年頃からです。年間100回、多いときは140回を超えるペースで全国を飛び回っていたのですが、コロナ禍で激減してしまいました。
年間140回とはすごいですね。コロナの前と後で、変化したことはありますか?
実演販売は「効果が見える」ことが大事だったので、コロナ前は断然『すっごい水垢取り』が圧倒的に多かったですね。
『すっごい水垢取り』は、鏡のうろこ汚れなどがみるみる落ちますから、わかりやすいですよね。
『すっごい水垢取り』について知りたい方はこちらをチェック!
そうなんです。それに比べると『すっごい掃除水』の洗浄・消臭効果はともかく、除菌や防カビは伝えづらいものでした。
しかしコロナ禍で『すっごい掃除水』の効果に注目が集まったことに加え、汚れや除菌効果を数値で表せる機材が現れたことで、実演販売がしやすくなったんです。
効果が数値化されると、安心ですね。
はい、そんな背景もあって、実演販売のお声がかかることが増えてきたように思います。あとは、コロナ禍で店員さんの数が減ったのか、店舗内の道案内や他の商品の説明が増えました(笑)。
中原さん、優しい雰囲気なので、声をかけやすいのかもしれませんね。
目指せ1000回!中原さんが感じる実演販売の魅力
中原さんは、これから実演販売1000回越えを目指したいそうですが、実演販売の魅力って何ですか?
やはり、お客さまの声をダイレクトで聞くことができることですね。和気産業さんも商品を販売されているからわかると思いますが、お客さまの声ってとても大切ですよね。
はい、お客さまの声って貴重です。うれしい感想も、厳しいご意見も、すべてありがたいです。
実演販売は、お客さまと直接会話をすることができるという点で、とても貴重な場です。
あとは店舗に来られるお客さまだけではなく、お店のスタッフさんや店長さんと会話できるのもありがたいですね。実際に商品を使って感想を教えてくださったり、質問をしてくださったり。そこから、さまざまなヒントをいただけます。
お客さまやお店の方の声は、どのように活かされているんですか?
質問などをいただいて、その答えがわからないときは、社に持ち帰って実証実験を行います。そのことにより、新しい使い道がみつかったり、商品の改善に結びついたりします。
社内で仮説を立てて実験することもあるのですが、メーカー視点だとどうしても偏りがでてしまうんですよね。でもお客さまの声の場合、リアルだし役立つことが多いです。
お客さまの声って、本当に貴重ですよ。
実演販売の極意は、目の前に人がいなくてもしゃべり続けること
優しい言葉を聞ければ、うれしいかもしれませんが…。実は私、学生のときに実演販売を1カ月ほど経験したことがあるんです。地獄のような日々でした。
あはは、そうですよね。私も最初は心がくじける場面に何度もあいましたよ。立ち止まってもらえない、話を聞いてもらえない…って。
そんなときは、どうされたんですか?
経験を重ねるうちにわかってきたのですが、人がいないからって何も話さなければ、誰も立ち止まってはくれないんですよ。
だから、目の前に人がいなくても、とにかく話すことが大事だと気づきました。
誰もいなくても、話すんですか?
前に立っていなくても案外聞いてくださっている方はいるんですよ。背中を向けていらしたり、棚の向こう側にいらしたりするんですが、話は聞いてくださっているんです。そんな気配を感じられるようになるんですね。
あと「買ってもらおう」と、必死になりすぎるのもよくないですね。「お客さまとお話ししたいんですよ~」くらいの軽い気持ちでお話ししているほうが、人は集まってくださいます。
お客さまに向かって全力で話すのではなく、準備や店じまいなどで背中を向けているほうが「何か売ってるんですか?」「もう終わりですか?」などと声をかけてくださいます。
実は、準備と店じまいは、人が集まりやすいタイミングなんです。
そんなコツがあったとは!今あらためてチャレンジしたくなりました(笑)。
はい。だんだんとコツをつかめるようになると、お客さまとの会話が増えて、楽しくなってきますよ。
たとえ容赦ない声がかかっても、大阪の実演販売は楽しい
お客さまの反応がよい地域など、ありますか?
それは、断然大阪のお客さまです。お話好きな方が多いんじゃないかなぁ。
私が実演販売を始めたのは2016年だったのですが、最初は誰にも聞いてもらえず心が折れそうでした。そんなときに大阪へ行ったんですが、大阪の方は容赦がないんです。「兄ちゃん、声ちっせぇわ」とか「辛気臭せー」とか言われまして(笑)。
う、なんとなくわかりますが…。
最初はグサッときたのですが、よく考えると「こんな風に言ってもらえるってことは、話を聞いてくれているってことなんだ」と気づいたんですよ。
私の場合、実演は商品説明が2割、会話が8割なんです。会話のキャッチボールが一番スムーズにできるのは、大阪です。
想像できますね(笑)。
大阪の方は反応がすごくいいので、人が人を呼ぶといいますか、人が集まりやすいなと思いますね。ありがたいです。
実演販売の目的は売るだけじゃない!
今回、実演販売のことをいろいろお聞きできて、とても興味深かったです。中原さんが楽しんで行われていることも伝わってきましたし、店頭で実演販売されているところを見たいなと、改めて思いました。
「売る」だけが目的ではなく、人とのコミュニケーションが実演販売の魅力。
みなさんも、これから実演販売をみたら、ぜひ足を止めて聞いてみてはいかがでしょうか。
※この記事の内容は、2023年2月時の取材を元にしています。会社名や登場人物の年齢、役職名などは当時のものになっている場合がありますので、ご了承ください。